鷲になれなかったトリ

翼があれば飛び立てる。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(7) - 組込みシステムの基礎知識

27日目。続きです。

第2部 第8章 組込みシステムの基礎知識

用語の整理

UML

オブジェクト指向分析設計のための統一モデリング言語。
オブジェクト指向設計において、設計対象を視覚的にわかりやすく表現するための記法。設計内容や設計対象への視点など目的に合わせた記法、ルールが定められている。

アクティビティ図

業務フローやプログラムフローチャートなどの処理手順を表現する記法。

コミュニケーション図

オブジェクト同士が連携して目的を達成するときの相互の関係、動作を表現する記法。

シーケンス図

オブジェクト同士が連携して動作する流れを時間に注目して表現する記法。

ユースケース

利用者目線でシステムの振る舞いを記述する。要求分析で用いられる。

ステートマシン図

オブジェクトの状態に注目して処理の流れを表現する記法。状態遷移図。

リアルタイム構造化分析技法

構造化分析で作られたDFDに対して変換分析を行い、処理タイミングと制御の流れを表現する。

インサーキットエミュレータ

マイコンの動作をエミュレーションしてデバッグするための装置(Intel社の登録商標)。
デバッグ対象にはMPUの代わりとして接続する。

MDA(Model Driven Architecture)

システムをプラットフォームに依存しない部分と依存する部分とに分けて開発する手法。
プラットフォームに依存しない部分の開発では、UMLモデリングしたものからソースコードを自動生成し、開発の効率化を図っている。

OMT(Object Modeling Technique)

オブジェクトモデル化技法。オブジェクト指向開発の方法論の一つで、今はUMLに統合されている。

ノイズに関するケーブルの特性

ツイストペア線

ワイヤをより合わせることで外部からのノイズに影響されにくくしている。

シールド線

ワイヤを覆う導体を接地することで、中のワイヤへのノイズの混入を防ぐ。

同軸ケーブル

ノイズの影響を受けにくい導体で覆われる。ネットワーク機器や計測器など高周波、高速信号の伝送に使われる。

ラインフィルタ

ケーブルなどで発生するノイズを除去する装置。EMIフィルタ、ノイズフィルタ。

SSCG(Spread Spectrum Clock Generator)

クロックの周波数スペクトルを広げた発信器。周波数のピークを下げることでノイズを低減する。代わりに余分な周波数帯域が発振される。

CMOS、バイポーラの消費電力

CMOS<バイポーラ

クロックゲーティング

スタンバイ時など動作が不要な回路へのクロック入力を止めることで省電力化を図る。

パワーゲーティング

動作が不要な回路への電源の供給を止めることで省電力化を図る。

ZigBee

センサネットワークとして使われる近距離の無線通信規格。通信速度は低速だが低消費電力のため、小型化でき長時間稼働が可能。

所感

残りの分野を詰め込んだ内容なのでボリュームはありますが、難易度は高くはないので用語を整理しておけば対処できるかと思います。速度、加速度の計算問題はパターン化されていますので、周期やタイミングなど時間の流れが想像できれば解けるかと思います。

参考資料

  • エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4版

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(6) - リアルタイムOSの機能

22日目。続きです。

第2部 第7章 リアルタイムOSの機能

用語の整理

割込みハンドラ

実行中のタスクを中断し、処理させたいタスクを割り込ませて行う。キーボードなどの外部入力に対してすぐ対応できるようにするためにはいつでも割り込みできるようにしておく。
割込み処理として、マシンチェック割込み、入出力割込み、外部割込み、プログラム割込み、スーパバイザコール割込みなどがある。 プログラムが起点になる割込み(プログラム割込みやスーパバイザコール割込み)などは内部割込みに分類される。

リアルタイムOSにおける)コンテキスト

タスク実行に必要なレジスタやプログラムモード(特権モード、非特権モード)、プログラムカウンタなどの環境情報であり、タスクを中断するときはコンテキストを一時保存し、タスク再開時に切り替えられるようになっている(コンテキストスイッチ)。

スレッド、プロセス

プログラムを動かすための器となるのがプロセスで、そのプロセス内でスレッドが実行される。
プロセス内のスレッドは同じアドレス空間を共有するため、スレッド間の通信では切替えのオーバヘッドが少ないが、プロセス間の通信ではアドレス空間の切替えが必要となる。

(プロセス制御における)プリエンプティブ方式

実行中のプロセスからCPUを奪って別のプロセスにCPUを割り当てる方式。
逆にプロセス終了までCPU割り当てを待つやり方はノンプリエンプティブ方式。

セマフォ

共有資源を同時使用を禁止する(排他制御)ために用いられる仕組み。
資源の使用状況を変数で管理し、使用側の占有開始(P操作)、占有終了(V操作)の操作によって変数を更新する。 セマフォだけでは、デッドロック(共有資源使用の競合)は防げないため、プログラム側で資源獲得順序を守る必要がある。
セマフォの変数値の持ち方によってバイナリセマフォ、ゼネラルセマフォなどに分かれる。

所感

参考資料によると出題としては減少傾向にあるようなので、さらっと流してまとめました。 必要であれば知識を継ぎ足していく感じで行ってみます。

参考資料

  • エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4版

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(5) - 制御機能

15日目。続きです。

第2部 第6章 制御機能

用語の整理

PID制御

目標値に到達するために入力値とその差(偏差)を埋める調整を行う。フィードバック制御の一種。

  • P制御

    • 偏差に比例して出力値を制御する。
    • 目標値との差が大きいときは早く近づけようと大きい出力値になる。
    • 目標値に近づいたときには小さな出力値になる。
  • I制御

    • 偏差を時間で積分して出力値を制御する。
    • 偏差が小さくなると目標値に到達する前に安定してしまう(ピッタリにはならない)ので、累積した偏差を積分して出力値の微調整を行う。
  • D制御

    • 偏差の変化(微分動作)によって出力値を制御する。
    • 外的要因などで目標値とのズレが生じたとき、素早く反応する(元に戻す)ために出力値を大きくして到達速度を早められる。

サーボ制御

目標値に到達するために物体の位置、方向などを制御する仕組み。
モータ制御であれば、目標の回転数に到達するために、回転の初速、速度維持、回転制動などを考慮して各部に制御命令を出す必要がある。

シーケンス制御

決められた手順や条件の下で各部の動作を自動制御する仕組み。
PLC(Programmable Logic Controller)はプログラム上で手順や条件などを定義してシーケンス制御を行う方法。

ファジー制御

コンピュータには不得意である曖昧な情報(経験、カン)を数値化して人間のような判断をさせようとする制御方式。
洗濯機やエアコンなどの家電から鉄道の自動運転制御などに使われる。

フィードフォワード制御

外的要因により目標値とのズレが生じる前に、調整値を盛り込んで出力値を制御する。
フィードバック制御ではズレが生じてから調整を行うため出力値がブレやすいが、フィードフォワード制御と併用することでその影響を小さくできる。

PLL(Phase Locked Loop)

位相同期回路。周波数シンセサイザとして使われる。

  • 入力(基準周波数)と出力(フィードバックループ)の位相を比較
  • ループフィルタ(ローパスフィルタ)で直流電圧に変換。
  • 電圧制御発信器(VCO)で出力周波数が調整される。
  • 分周器でVCOからの出力周波数を逓倍(てい倍)して入力に合わせる。

元々アナログ回路であったが、一部をディジタル化したり、ディジタル回路だけで構成されたディジタルPLLに発展している。

DSP(Digital Signal Processor

ディジタルフィルタや音声処理、画像処理などのディジタル信号処理を効率良く(並列、高速演算)行うことができる処理装置。 リアルタイムに出力を要求される場面は多く、幅広い分野で利用される。
音声合成、携帯電話、3DCG、カーナビなどに利用される。
※以前に少し出てきたがおさらい。

所感

出題範囲としては狭いので、フィードバック、フィードフォワードの処理手順がつかめれば(細かい仕組みや理論は後回し)進めやすいです。図で描いてみると定着しやすいかと思います。

参考資料

  • エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4版

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(4) - センサとアクチュエータ

14日目。続きです。

第2部 第4章 センサとアクチュエータ

用語の整理

センサ

検出センサ名称詳細
変位ポテンションメータ角度と抵抗値の相関関係を利用して、回転角を検出。
光電センサ光の反射の変化を検出して電気信号に変換。
位置リミットスイッチマイクロスイッチを内蔵。アクチュエータを通して動きをスイッチに伝達。物理的なスイッチを開閉。ふたの開け閉めを検知、などに使われる。
速度ロータリエンコーダ回転変位量を検出。
発電機回転を加えて、発電量を計測。
超音波センサ音波が反射されて戻ってくるまでの時間を測定。
加速度ひずみゲージ式金属線を変形させると生じる電気抵抗を利用。材料の歪みや伸縮を検出。
圧電素子振動、圧力を電圧に変換してそれを測定(ピエゾ効果)。
フォトダイオード光電流でダイオード特性を発現させ、それを計測。
光電センサセンサへの受光量の大きさによって電気信号を出力。
磁気ホール素子電流に磁界をかけると起電力が現れる(ホール効果)。磁界を検出。
温度熱電対金属同士の温度差を利用して熱起電力を発生させる。ゼーベック効果。温度を検出。
サーミスタ金属線は温度によって抵抗が変化。抵抗を測定し温度を検出。
放射温度計物体の熱放射を利用して温度を測定。

エンコーダ

回転方向や回転数などをディジタル値に変換するセンサ。

エンコーダの方式

インクリメンタルエンコーダ

パルスの位相の遅れで相対的な回転方向、位置を検出する。

アブソリュートエンコーダ

回転角度ごとに異なるパルスが出力されるので、絶対位置がわかる。

エンコーダの種類

ロータリエンコーダ

回転数、角度、位置を検出する。ローラーの回転制御など様々な機器で使われる。

リニアエンコーダ

直線変位を検出する。工作機械の位置決めなどで使われる。

アクチュエータ

ディジタル信号を物理的な運動に変換し、機械制御を行う駆動装置の総称。

ステッピングモータ

パルス信号によって回転速度、回転角度を制御する。 パルス数で回転角度、パルス速度で回転速度を制御する。 各コイルに順番に電流を流し、モータを回転をさせる(励磁方式)。

所感

センサは種類が多く、情報掲載元によって呼称が異なる場合があるため注意が必要です。午後試験でも前提知識として問われる可能性が高いので、知識をアップデートしておく必要がありそうです。

参考資料

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(3) - A/D変換とD/A変換

8日目。続きです。

第2部 第4章 A/D変換とD/A変換

用語の整理

A/D変換

入力電圧を一定時間充放電し、要した時間を基にディジタル信号を出力する。

積分回路で充放電し、比較器の反転入力端子に入力する。充電されると比較器の出力がONになり、クロック信号とカウンタを用いて時間を測定する。

低速だが高精度のため、測定器に使われる。

  • 逐次比較方式

あるビット列をD/A変換器に掛けたものを入力電圧と比較し、合っていればそのビット列を出力する。入力電圧と比較して、低い場合はビットを大きくし、高い場合はビットを小さくして正解を絞り込んでいく。

  • 並列比較方式

逐次比較方式を並列にして変換する方式。

標本化定理

A/D変換したアナログ信号を再現するためのサンプリング周波数を導ける。サンプリング周波数の1/2(ナイキスト周波数)を超えると再現できなくなる。つまり、元の信号の2倍の周波数でサンプリングすれば再現できる。

分解能

A/D変換器が出力するビット単位が大きければ、それだけ細かく元の信号を表現できる(電圧変化を読み取れる)。

D/A変換
  • 重み抵抗方式

ビット数と同じ数の抵抗(抵抗値は変える)を並列につなぎ、それぞれをビットの0・1でON/OFF切替し、出力電圧を得る。

  • R-R2ラダー方式

重み抵抗方式と違い、R、2Rの抵抗の組み合わせだけで作れる。

PCM(Pulse Code Modulation)

音声信号をディジタル化して伝送する方式。パルス符号変調。振幅の値を2進数に変換する。

例えばモデムを使うときは、アナログ信号からディジタル信号に変換してデータ転送し、その先でアナログ信号に復号化する。

補間

0・1で表現されるディジタル信号では、アナログ信号の連続的な値を表現しにくい。

D/A変換ではローパスフィルタを用いてアナログ信号の滑らかな振幅を再現する(補間)。

フィルタ
  • アナログフィルタ

ローパスフィルタ(低域通過フィルタ)やハイパスフィルタ(高域通過フィルタ)など特定の周波数帯を通過(あるいはブロック)させる仕組み。

  • デジタルフィルタ

ディジタル信号に変換してから行う処理。

アナログ信号レベルで行っていた(ハードウェア依存)信号処理をディジタル処理に移行して、ソフトウェアで対応してしまおうという発想から作られた。

所感

他サイトを参考にしつつ、変換の流れはざっくりと理解できたと思います。分野としては対象が絞られているので取り組みやすいです。組み込みシステムの肝となる部分なのであとでブラッシュアップしていきます。

参考資料

エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(2) - 入出力とバスアーキテクチャ

4日目。続きです。

第2部 第3章 入出力とバスアーキテクチャ

用語の整理

バスアービタ

CPUやメモリ、入出力装置などを結ぶ通路(バス)でのデータ転送はバスマスタ(CPUやDMAなど)が主体となるが、バスアービタがそれぞれのバスマスタの交通整理を行う。

I2Cバス(Inter  Integrated  Circuit)

シリアルクロックライン(SCL)とシリアルデータライン(SDA)の2本の線を使う双方向バス。最高でも3.4Mbpsと(現代では)低速だが抵コスト。

DMA(Direct Memory Access

入出力装置が直接主記憶装置にデータ転送する。データ転送中のCPUの処理負担を減らせる。

  • キャッシュメモリには直接データ転送はできない。
  • 外部バスを使用するため、CPUと競合する(動作応答性に影響を及ぼす)。
マトリックススイッチ

大量のスイッチを効率良く扱うために、スイッチを碁盤の目状に配置し、どのスイッチが押されたかを交差する位置(縦横)で判断できるようにした回路。

仕組み上、入力ポートも少なくて済む。タッチパネルに使われる。

ウェイト機能、レディ機能

CPUが低速の入出力装置などとやり取りするときに歩調を合わせるための機能。データ転送準備のタイミングを待ち(ウェイト)、準備ができたら開始する(レディ)。

所感

仕組みや特性など憶えることがメインの分野なため、過去問を解いて定着させたいです。

参考資料

エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(1) - 論理回路

組み込み系システムやハードウェアの知識や実務経験はほとんどありませんが、気になっていた分野ではあるので試験に挑戦してみようと思います。

つまづいたところ、理解しにくかったところなどをアウトプットしていきます。おそらく、前提知識がなかったり忘れていたりするので初歩の内容だったりします。

まずは広く浅くでも知識を取り入れていきます。下記の書籍を元に進めます。

エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4

第2部 第2章 論理回路

用語の整理

トランジスタ

論理回路ではスイッチの用途で使われる。ベース(またはゲート)側が切り替え役になり、Highになるとトランジスタに電流が流れる。

  • バイポーラ型・・・電流流すとコレクタ、エミッタ間に電流が流れる
  • MOS型・・・電圧を掛けると、ドレイン、ソース間に電流が流れる

直列につないでAND回路、並列につないでOR回路を作れる。

ワイヤードOR

並列に接続して作るOR回路。どちらかに電流が流れればONになる。一方向に制限するスイッチとしてダイオードを使う。

スリーステートバッファ

制御信号、入力、出力からなる素子。制御信号がLowになると出力から切り離す(ハイインピーダンス)。制御信号がHighなら入力信号をそのまま出力へ流す。

ハザード

素子の遅延によって起こる意図しない出力になること。

RSフリップフロップ

入力信号を一時的に記憶しておくことができる回路。RSはリセット、セット。

機械的振動でON/OFFが繰り返される(チャタリング)のを防ぐ。ごく短い時間に繰り返す。

同期回路

スイッチのON/OFFなどの非同期信号と同期させるやり方。

Dフリップフロップ(DはDelay)を用いて、入力をクロックのタイミングまで保持する。クロック信号(CK)に論理否定(丸記号)がある場合は、立ち下がりのタイミングで動作する。

メタステーブル

クロックと入力のタイミングがちょうど重なるとどっちつかずになる。Dフリップフロップを直列にすることで解決できる。

積分回路

入力電圧を積分した出力が得られる。抵抗とコンデンサ(出力側に接続)をつないで構成される(厳密にはオペアンプも必要?)。素子を入れ替えると、微分した出力が得られる微分回路になる。

PWM(パルス幅変調)

パルス幅によって電圧の高低を調整できるようにした回路。パルスをONにする時間を長くする(パルス幅を長くする)ことで電圧を高くできる。この電圧の上下によってモータの回転速度を調整できる。

ローパスフィルタ

低い周波数だけ通す。人間が聞き取れる音声を抽出したい場合、ノイズになる高周波数はカットする。

理解不足なところ

PWMと積分回路の関連性

個々の用語はわかったが、2.3の問1はピンと来ず。

2.3の問3の計算

後回し。

反転増幅器

オペアンプとは出力の正負が反転する関係?利用イメージができてない。

所感

理解不足な用語が意外と多く先行き不安ですが、とりあえず先に進みます。

次回は第3章予定です。

参考サイト

toshiba.semicon-storage.com

参考書籍

エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4

 ※今は第5版が出てます。