鷲になれなかったトリ

翼があれば飛び立てる。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(5) - 制御機能

15日目。続きです。

第2部 第6章 制御機能

用語の整理

PID制御

目標値に到達するために入力値とその差(偏差)を埋める調整を行う。フィードバック制御の一種。

  • P制御

    • 偏差に比例して出力値を制御する。
    • 目標値との差が大きいときは早く近づけようと大きい出力値になる。
    • 目標値に近づいたときには小さな出力値になる。
  • I制御

    • 偏差を時間で積分して出力値を制御する。
    • 偏差が小さくなると目標値に到達する前に安定してしまう(ピッタリにはならない)ので、累積した偏差を積分して出力値の微調整を行う。
  • D制御

    • 偏差の変化(微分動作)によって出力値を制御する。
    • 外的要因などで目標値とのズレが生じたとき、素早く反応する(元に戻す)ために出力値を大きくして到達速度を早められる。

サーボ制御

目標値に到達するために物体の位置、方向などを制御する仕組み。
モータ制御であれば、目標の回転数に到達するために、回転の初速、速度維持、回転制動などを考慮して各部に制御命令を出す必要がある。

シーケンス制御

決められた手順や条件の下で各部の動作を自動制御する仕組み。
PLC(Programmable Logic Controller)はプログラム上で手順や条件などを定義してシーケンス制御を行う方法。

ファジー制御

コンピュータには不得意である曖昧な情報(経験、カン)を数値化して人間のような判断をさせようとする制御方式。
洗濯機やエアコンなどの家電から鉄道の自動運転制御などに使われる。

フィードフォワード制御

外的要因により目標値とのズレが生じる前に、調整値を盛り込んで出力値を制御する。
フィードバック制御ではズレが生じてから調整を行うため出力値がブレやすいが、フィードフォワード制御と併用することでその影響を小さくできる。

PLL(Phase Locked Loop)

位相同期回路。周波数シンセサイザとして使われる。

  • 入力(基準周波数)と出力(フィードバックループ)の位相を比較
  • ループフィルタ(ローパスフィルタ)で直流電圧に変換。
  • 電圧制御発信器(VCO)で出力周波数が調整される。
  • 分周器でVCOからの出力周波数を逓倍(てい倍)して入力に合わせる。

元々アナログ回路であったが、一部をディジタル化したり、ディジタル回路だけで構成されたディジタルPLLに発展している。

DSP(Digital Signal Processor

ディジタルフィルタや音声処理、画像処理などのディジタル信号処理を効率良く(並列、高速演算)行うことができる処理装置。 リアルタイムに出力を要求される場面は多く、幅広い分野で利用される。
音声合成、携帯電話、3DCG、カーナビなどに利用される。
※以前に少し出てきたがおさらい。

所感

出題範囲としては狭いので、フィードバック、フィードフォワードの処理手順がつかめれば(細かい仕組みや理論は後回し)進めやすいです。図で描いてみると定着しやすいかと思います。

参考資料

  • エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4版