エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策(3) - A/D変換とD/A変換
8日目。続きです。
第2部 第4章 A/D変換とD/A変換
用語の整理
A/D変換
- 二重積分方式
入力電圧を一定時間充放電し、要した時間を基にディジタル信号を出力する。
積分回路で充放電し、比較器の反転入力端子に入力する。充電されると比較器の出力がONになり、クロック信号とカウンタを用いて時間を測定する。
低速だが高精度のため、測定器に使われる。
- 逐次比較方式
あるビット列をD/A変換器に掛けたものを入力電圧と比較し、合っていればそのビット列を出力する。入力電圧と比較して、低い場合はビットを大きくし、高い場合はビットを小さくして正解を絞り込んでいく。
- 並列比較方式
逐次比較方式を並列にして変換する方式。
標本化定理
A/D変換したアナログ信号を再現するためのサンプリング周波数を導ける。サンプリング周波数の1/2(ナイキスト周波数)を超えると再現できなくなる。つまり、元の信号の2倍の周波数でサンプリングすれば再現できる。
分解能
A/D変換器が出力するビット単位が大きければ、それだけ細かく元の信号を表現できる(電圧変化を読み取れる)。
D/A変換
- 重み抵抗方式
ビット数と同じ数の抵抗(抵抗値は変える)を並列につなぎ、それぞれをビットの0・1でON/OFF切替し、出力電圧を得る。
- R-R2ラダー方式
重み抵抗方式と違い、R、2Rの抵抗の組み合わせだけで作れる。
PCM(Pulse Code Modulation)
音声信号をディジタル化して伝送する方式。パルス符号変調。振幅の値を2進数に変換する。
例えばモデムを使うときは、アナログ信号からディジタル信号に変換してデータ転送し、その先でアナログ信号に復号化する。
補間
0・1で表現されるディジタル信号では、アナログ信号の連続的な値を表現しにくい。
D/A変換ではローパスフィルタを用いてアナログ信号の滑らかな振幅を再現する(補間)。
フィルタ
- アナログフィルタ
ローパスフィルタ(低域通過フィルタ)やハイパスフィルタ(高域通過フィルタ)など特定の周波数帯を通過(あるいはブロック)させる仕組み。
- デジタルフィルタ
ディジタル信号に変換してから行う処理。
アナログ信号レベルで行っていた(ハードウェア依存)信号処理をディジタル処理に移行して、ソフトウェアで対応してしまおうという発想から作られた。
所感
他サイトを参考にしつつ、変換の流れはざっくりと理解できたと思います。分野としては対象が絞られているので取り組みやすいです。組み込みシステムの肝となる部分なのであとでブラッシュアップしていきます。
参考資料
エンベデッドシステムスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 第4版